美しい風景を見つけたら、試行錯誤で写真の完成度を上げよう

 写真は目に入ったものをそのまま撮影してもなかなか良い写真にはならない難しいものです。「写真は引き算」と言われますが、不要なものを画面から削除するだけで写真が変わってきます。

 またただドールを置いて漫然と撮影するだけだと写真もまた漫然としたものになってしまいますので、見せ方にも一工夫が欲しいところです。今回は紫陽花の咲く場所で実際に画面を組み立てていく過程を紹介したいと思います。

 綺麗に紫陽花が咲いている場所がありましたので、まずは1枚撮影してみます。「紫陽花を見に行きました」という説明には十分な写真ですが、改めて見てみると色々と残念な写真です。まずはこの写真に自分自身で付箋を付けて写真を整理してみたいと思います。

 まずは左奥のコンクリート橋が自然豊かな雰囲気をぶち壊しているのでこれをなんとかしたいところです。たくさん咲いている紫陽花は変にカットせずボリュームたっぷり見せましょう。そしてドールのリボンや襟も乱れているのに気付きましたので修正します。

 1枚撮影してピント露出が合っていれば満足するのではなく、自分の写真にダメ出しして、それを改善することによって完成度を上げていきます。

 襟、リボンを直して、「橋をカットすればいいのでしょ?」と寄ってみましたが、今度は左側のあぜ道が作っていた奥行き感が無くなってしまい窮屈な写真になってしまいました。そして写真もただ紫陽花の前にドールを立たせているだけのつまらない写真です。これでは改善どころか逆に改悪です。

 もう一度最初の写真を見ながら整理してみます。橋が邪魔なら橋を背にして撮影する方法があります。そして「紫陽花の前に立たせる」という並べ方では単調なので発想を変えて紫陽花の奥にドールが居る配置にしてみます。

 こんな写真はどうでしょうか。冒頭の写真の様にコンクリートの橋が通っている様な住宅街のすぐ近くなのですが、森の中の様な印象になりました。

 綺麗な風景を見つけて脊椎反射的にドールを並べて写真を撮影すると、往々にして色々なところに配慮が行き届かず「○○へ行きました」という説明的な写真になってしまいます。1枚撮影した後その写真に自らダメ出しして改善していくと、写真の完成度が上がっていきます

 慣れてくると撮影前にこの改善が行える様になりますので、1枚撮影して満足せず色々と試行錯誤してみてください。写真の完成度も上がってきますし、写真のバリエーションも増えますから後で整理するのが楽しくなってきます。

■ この娘のレシピ

 ジト目ちゃんはエンジェリックドール添い寝Ver.がベースですが、生産完了になってしまいました。代替ベースドールとしては「ふぇありーどーる もも」が大きさ、ポーズ的にほぼ同じ感じになります。




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