ドール撮影に最適なモードは?
本サイトの記事にはアフィリエイト広告が含まれますが、記事の内容は中立性を保つ様、細心の注意を払って編集しております。
レンズ交換式のカメラにはこの様なダイヤルが付いており、撮影時様々なモードを選択することが出来ます。ドール撮影時にはどのモードが良いのでしょうか?結論から申しますとAv(A)モードが使いやすくて便利だと思います。
Av(A)モードは絞りを設定するとシャッター速度(機種や設定によってはISO感度も)を自動で設定してくれる便利なモードです。絞りの設定値によって背景は大きく変わりますのでここは自分で好みの値に設定したいところですが、あとはカメラが自動で設定してくれます。
■ 絞り値によって変化する背景の写り方
それでは絞りの値によって背景がどの様に変わるかを見ていきたいと思います。作例は全てカメラはPENTAX 645Z、レンズはsmc PENTAX-FA645
75mmF2.8を使用して撮影しています。
f2.8、1/60、ISO400
まずは絞りを最も開けたf2.8で撮影してみました。背景は完全にボケて何が写っているかわかりません。
絞りはf2.8、f4、f5.6、f8~と一見不規則に見える数値になっていますが、√2(1.414)倍の数値になっています。しかしこの難解な数値はあえて覚える必要はありません、「数値が小さくなったら絞りが開いてボケる、数値が大きくなったら絞りが狭まりボケなくなる」と覚えておけば十分です。
続いて絞りを狭めた写真を見てみましょう。
f5.6、1/60、ISO1600
絞りを2段階狭めf5.6にしてみました。先程の写真に比べ背景の木々の姿がはっきりしてきました。更に絞るとどうなるでしょうか。
f11、1/45、ISO4500
f5.6から更に2段階絞りf11にしてみました。更に木々がはっきり見えてきました。冒頭のf2.8の写真と比較すると雰囲気はかなり異なります。
絞りには背景のボケをコントロールする機能がありますが、背景のボケ具合によって写真のイメージは大きく変わってきます。ですからどういう写真にしたいかというところで絞り値は自分で決定したいところですが、あとはカメラが自動でやってくれるAv(A)モードはやはり便利です。
ちなみにシャッター速度やISO感度はカメラが自動で設定してくれますから、絞り値が変わっても3枚の写真の明るさはほぼ同じです。
カメラマンの中には「P」モードでいいという方もいます。誰でも撮れる簡単モードが「P」モードですから初心者に一番簡単なアドバイスとしてはある意味正解である気もします。しかし作例の様に背景の写り方がドール写真の場合大きく左右しますので、私はここに自分の意志を加えられるAv(A)モードをオススメします。
一方「プロってM(マニュアル)モードで絶妙なセッティングをするんじゃない?」と思う方もいると思いますが、我々プロもAv(A)モードは多用します。私のような職業カメラマンだけでなく、著名な写真家などもAv(A)モード利用者は多いようです。
私は普段このAv(A)モードに露出補正をプラスして撮影しています。一方M(マニュアル)はストロボ撮影時に1/200、f8などに設定を固定して使う時以外はあまり使いません。
折角ですからついでに露出補正によって写真がどう変わるかも作例で紹介したいと思います。
±0
一般的な写真です。
-0.5
-0.5段暗くするだけで鬱蒼とした森の中のような雰囲気になりました。
+0.5
逆に+0.5段明るくすると高原の森の朝の様な雰囲気です。気分によっては±0よりこちらの写真を「良い」とするかもしれません。
露出補正にどれが正しい、失敗はありません。しかし露出補正によって写真のイメージが大きく変わるのは事実です。どんな雰囲気の写真がいいのかによって露出補正の値は変わってきますので色々挑戦してみてください。
Av(A)モードを使いこなしながら露出補正も素早く行いたいと考えているので私はAv(A)モード時に前側のダイヤルを絞り設定用に、後ろ側のダイヤルを露出補正に設定しています。
是非Av(A)モードで絞りを変えながら背景のボケ具合のコントロールを楽しんでみてください。
■ 使用機材