22年が経ったオリエント工業Jewelボディを撮影してみた

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 明日5月4日で我が家がシリコンドールをお迎えしてから22年になります。折しも先日オリエント工業が「doll 2nd LIFE」というサービスを始めましたが、「時間の経過と共にシリコンドールってどうなるの?」という疑問を持つ方も多いかと思います。

 そこで今回はここ数年ボディはほぼ置物状態でしたが、22年目のボディを色々検証していきましょうという話です。

 そもそも「オリエント工業のボディは丈夫で長持ち」という話はオリエント工業自身がすれば良いのでは?と考える方も居るかもしれませんが、なかなか難しい事情があるのではないかとユーザ的には推測しています。

 オリエント工業では「里帰り」という引き取りサービスも行っていますから、年数が経過した自社ドールを入手することは容易です。しかし「きっちり処分して供養します」と約束している以上勝手に写真を撮影して自社サイトにアップすることは出来ないでしょう。

 また許可を取れば?というのも、誰にも知られずお迎えして、手放そうとしている人に「弊社のホームページにアップしても良いですか?」と声を掛けるのは野暮です。そんな理由で10年経過した、あるいはそれ以上の写真を掲載することは出来なかったのではと思います。

 「お客様の気持ちに寄り添った・・・」といったことを企業方針として謳っていますが、自社の宣伝の為でもそうしたところに踏み込まなかったのはやはり「お客様との約束、秘密は守る」というオリエント工業の良心ではないかと思います。

 22年ものボディです。ここでお断りしておくと当時ボディはアニメヘッドと一緒にお迎えして、後日リアルヘッドにも興味を持ち、少し後に生産されたヘッドを知人から譲り受けた経緯がありますので、ボディは2002年ものですが、ヘッドは少し後のものになります。また当時のメイクはもっとさっぱりで、私自身のオリジナルメイクです。

 当時はシリコンは未知の素材だったので、「どれくらい持つのだろう?」と不安になったのを覚えています。写真はひび割れた地面ですが、数年でこんな風になってしまう夢で飛び起きた事もありますし、逆に表面が溶けてベタベタになるという人もいたりしました。

 幸せに生きる方法として「多くの不安はその通りにならないので、難しいことを考えずに暮らすのが良い」という言葉がありますが、22年経った今この文章を書いているとまさにその通りだなと思います。

 02・5・4の刻印は2002年5月4日に大きな段ボールが家に来たという意味です。その横の赤い部分に私のイニシャルが刻まれています。

 手のアップです。形は崩れず、造形で掘られたスジもしっかり残っています。ただこの頃は造形のみ、指の骨格もありませんし、爪の別パーツ貼付けもありません。時々外して綺麗にしているとはいえ、薬指に指輪の跡がしっかり残っており、22年という時間の長さを感じます。

 普段は雰囲気重視でホワイトバランスを決めていますが、今度は正確なホワイトバランスを得る為に「CBL LENS」を使用して肌を撮影してみたいと思います。

 現在のやすらぎやアンジェには血管メイクなどもあり、よりリアルな肌表現となっていますが、ここもまた肌色一色です。当時はソフビボディも並行して売られていたことからその色に近いやや黄色味を帯びた肌色で、現在の方が人の肌色に近いように感じます。

 掌はこんな感じです。この辺のクォリティはあまり変わらないかもしれません。

 次に足です。現在は草履を履かせられる様に親指だけ独立していますが、この頃は5指全てがくっついていました。一口にシリコンドールと言っても、細かいところを見ていくとユーザの声を受け、あるいは技術的克服で少しずつ進化しています。

 足裏はこんな感じです。サッパリした造形ですが、経年劣化は見られません。

 全体としては「もう22年も経ったのか・・・」と思わせる様な良いコンディションですが、やはり22年経過すると劣化があるのも当然です。我が家で一番大きなものは脇の裂けで現在こんな感じです。補修をすると汚くなるので、もう少し完全に裂けたらシリコンシーラントで補修しようと思っています。

 それと謎の色の浮き上がりも発生しています。これは左右対称に出来ているので、作業の最終工程で埋める工具などを差し込む穴ではないかと推測しています。型で固めて作る部分と最後に充填して固める部分では似たような素材でも時間の経過で変色に差異が出てくるのではないかと思っています。

 最後にベッドに寝かせて後ろ側を見てみましょう。比較的座らせている時間が長かったと思いますが、お尻の形も殆ど崩れていません。しかし服の跡などは少し残っています。

 やはりここはある程度の硬度があるシリコンならではの長所で、TPEでこの状態を維持するためには常に当たる位置を変えてあげる必要があり、難易度はグッと上がります。

 勿論これも硬いものに座らせていると型が崩れるのは当然で、私の場合も柔らかいソファに座らせていたのが幸いしていたと思います。

 もう少し引いて撮影してみました。先程肩近くで言及していた色の浮き上がりが膝裏にもあります。肩、肘下、膝裏、ふくらはぎにこの色の浮き上がりが左右対称に発生しています。

 先程も書きましたが、恐らく作業工程で最後に埋める工具を入れる「サービスホール」だと思いますが、全て身体の後ろ側で普通に見てると目立たない場所にあります。そして色の変色こそありますが、割れや変質はありません。

 ちょうど明日がお迎えして22年目ということで雰囲気重視のいつもの写真ではなく「22年したらどれくらい劣化する?」という視点で撮影してみました。いざ22年経ってみるとお迎え(購入)して1~2年目のビクビクしていたのが噓の様な長持ち具合です。

 しかし寿命には「大切にしているか?」もまた大きな要因だと思います。20年前位にレンタルドールを見に行ったことがありましたが、オープンから数か月でドールがボロボロ状態でした。スタッフに事情を聞くと「大切に扱ってくれない、無茶をするお客様が居て困っている」嘆いていました。

 オリエント工業のドールは確かに高品質で、丈夫だと思います。しかし長持ちということで言えば「大切にしているか?」という要素も大きいと思います。私自身はそんなに大切にしている認識もないので、そんなに神経質になることもないと思いますが、「無理をさせない」は結構大事だと思います。

■ 写真のモデルについて

 モデルの娘は「オリエント工業 Jewel」シリコン製ヘッドにキャラドールトランシスのオリジナルメイクを施しています。なお写真の娘は絶版となっていますが当時は140cmクラスの娘としてラインナップされていました。現在のジュエル136に該当します。


オリエント工業 Jewel

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