たまゆらフェリーで航海灯や海の標識の話

2013年8月17日 0 投稿者: dollman_senoo

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 こんにちは、まゆです。今日は山陽商船さんの「たまゆらフェリー」を眺めています。戦車のガルパンがブームになったと思ったら今度は「艦これ」とかで艦隊が流行っているみたいですね。艦船は詳しくないですが、商船なら若干の知識がありますので今日は船舶の灯火や標識についてちょっとお話しますね。

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 山陽商船の「第五さんよう」をはじめ瀬戸内海の船は前後がほぼ対称な船が多いです。近距離往復がメインの渡船ですから「どちらも前!」が便利でいいのかもしれません。

 しかし本当の前はどちらでしょうか?正解は分かりませんが、装備品から推測するに垂水側が船首で竹原側が船尾だと思います。

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 ところで話が変わりますが、車の尾灯や車幅灯の様に船にも灯火の決まりがあります。上の図のような灯火が一般的な商船の灯火です。緑が右舷灯、赤が左舷灯、白い前部マスト灯、後部マスト灯、船尾灯です。真っ暗な夜の海でもこの灯火のおかげで船がどこにどんな向きで存在するかが分かるのです。

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 では「どちらも前!」な「第五さんよう」はどんな航海灯になっているのでしょうか?答えは全て二組ずつ存在しています。但し本船の場合マストは1本なのでマスト灯も1個になります(第五さんようは全長49.9m、全長が50mを越えるとマスト灯が2灯になります)。山陽商船の「陽商」の文字の上に黒い部分がありますが、ここに舷灯があります。上が左舷灯の赤、下が右舷灯の緑です。マスト灯もマスト中央部に前後2個付いています。船尾灯は2番目の写真の船橋下中央にあります。

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 本船が出航しました、防波堤の白い灯台が見えます。船乗りは通称「青灯台」と呼びます。白い灯台なのに青灯台と呼ぶのは夜間緑色の光を放つからです。白いのに青灯台、青灯台なのに緑色の光・・・面白いですね。入港船はこの青灯台を左に見て入港します。大きな港だと反対側の防波堤には赤灯台があり、その間を抜けて入港するのですが、竹原港は青灯台のみです。小さな港だと赤、青どちらかということもあります。

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 ちなみに海上では右側航行が原則、陸が左側通行なので逆ですね。正面衝突しそうになったら舵を右に切って相手船を回避します。ちなみに横切り船が衝突するような場合相手船を右舷に見る船が舵を右に切ります。このように避譲する船を避航船と呼びもう一方のそのままの船を保持船と呼びます。

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 これはブイです。日本語で言うと「浮標」になります。この黄色いのは方位標識といい▼▼が南を現します。つまりこのブイの南側が安全な航行範囲、北側が何らかの障害物があるということになります。▲▲で北、上から▼▲で西、▲▼で東を現します。

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 いかがでしたか?船の甲板から見る見知らぬ風景は確かに魅力的ですが、様々な「海の標識」の意味も理解できるともっと船旅が楽しくなりますよ。また機会があれば紹介したいと思いますけど第二回があるかどうかは反響次第だから多くの人に読んでもらえると嬉しいな♪