三菱大夕張鉄道車両保存地
夕張にはかつて「三菱石炭鉱業大夕張鉄道線」という鉄道が走ってたんや。石炭が採掘されていた頃、石炭は「黒いダイヤ」と呼ばれ街は活気に溢れてたらしいで。この鉄道も石炭産業華やかし頃を伝える貴重な産業遺産かもしれへん。名前の通り石炭の輸送や炭坑夫、その家族を輸送する為に石炭会社が鉄道を所有してたんや。今回は廃止から25年経過した今も有志によって大切に保存されている車両達をえあが案内するで。
廃止直前にはここ南大夕張までしか走ってへんかったけど、ここが栄えていた頃にはこの先大夕張湛山駅まで伸びていたんや。ここから更に10キロ山間の地点や。
この南大夕張駅跡には「車両保存地」が作られとって、貴重な当時の車両が綺麗な状態で保存されているで。一緒に見ていこ?
三菱鉱業大夕張鉄道 (RM LIBRARY(47)) | |
奥山 道紀 赤城 英昭
ネコ・パブリッシング 2003-06-01 |
「三菱鉱業大夕張鉄道 (RM LIBRARY(47))」ではこの鉄道の全盛期の頃の写真が見られるで!
先頭にあるのは冬の雪を除雪する「キ1」型や!
国鉄の「キ100」型と同じ形や。この形は国鉄のみならず各地の雪深い地方鉄道でも使われていたんや。国鉄型と同じ形、色でも三菱のマークがここの鉄道の車両や言うことを表しておるな。
そしてこの鉄道で特筆すべき車両はこの「スハニ1」型の客車や。スハニやから荷物車と普通車の合造車や。客車入口は国鉄の旧型客車と同じようなデザインやけど・・・。
この台車が三軸ボギーといって通常の客車、現代の電車が通常二軸の車輪やけど車輪が三軸になっているんや。当然コストが掛かるけど乗り心地は最高やった。国鉄では一等車に使われていたような台車がここ夕張のローカル線で使われていたというのが奇跡なんや。やはりここに来たらこれを見ていかなあかん。
これが客室部分や。ニス塗りの木で出来た内装は当時のまま残っているで。旧家のような雰囲気は旅人をノスタルジーな気分にしてくれるわ。そや、えあの右側(写真の左側)にテーブルがあるやろ?冬になったらここにだるまストーブが置かれ、客室を暖めていたんやで。
もう走ることは無いやろうこの客車もこうやって椅子に座って外を眺めてみると当時の長閑な汽車旅を感じさせてくれるわ。この客車の車歴は大正2年の食堂車からで、この地で走り始めたんは昭和42年からや。
荷室部分は展示&休憩スペースになっているで。貴重な車両やさかい看板に書いてある通り大切に見てや。
その他ここには当時のバスも保存されているで。
あとは石炭輸送に使用されていた貨車、セキ2。これも国鉄のセキ1000型と同型や。奥のセキ1は国内最古の石炭車で貴重な存在なんやで。この2両で石炭車の進化の歴史が見られるといっても過言ではあれへん。
人が比較的多い清水沢から山間に7キロちょっと来たこの地に貴重な車両がいっぱい保存されているんや。近くに来た時はここで夕張炭鉱全盛期の頃に思いをはせてみても面白いと思うで。あ、それとこんなたくさんの車両を良好な状態に維持するのにはお金が掛かるみたいや。大半は有志会の持ち出しらいいけどグッズ購入でも保存に貢献できるで。
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