USED加工はリアリティ追求の為?
この世には「USED加工」と称したパンツやブルマが売っている。しかし、ここで変態と思ってはいけない。「汚し」はモデルでリアリティを追求するには重要な手段。もし「変態」と呼ぶ人が居たらこのページを見せて胸を張って言って欲しい「リアリティの追求」であると。
今回はモデラー的に「汚し」の必要性を説く。モデラーはこれを「USED加工」と呼ばずに「ウェザリング」と呼ぶ。天気の「ウエザー」にingだ。外の風雪で汚れた質感を出す技法だ。
ここに一両の鉄道模型がある。メーカー完成品だけあって細部まで作り込まれているが、この写真を見て「本物」と思う人は居ないと思う。テカテカした質感、こんな車両は工場出たての車両くらいのものだ。やはり所詮模型という感じだ。
そして「ウェザリング」を施した車両がこれ。風雪で車両の色は白っぽく褪色して、雨のシミも無数に残っている。また足回りはブレーキの鉄粉で赤くなり、屋根は牽引する蒸気機関車、ディーゼル機関車の黒煙で黒くなっている。リアリティ、アップだ。
この「ウェザリング」はただ汚せばいいという物ではない。雨のシミは重力で下に落ちるので下に向かって直線を描いている。ブレーキダストの汚れは台車周りが一番汚れる。屋根の黒い汚れは蒸気機関車、ディーゼル機関車に牽引される車両を想定したので黒だが、電気機関車に牽引される車両ならばパンタグラフからの鉄粉で黄色く汚れる。
「汚し」には知識や実物を詳細に観察する観察眼も要求されるのだ。
もう一両、ウェザリング加工したディーゼル機関車を紹介する。ディーゼル機関車はエンジンの煤煙やオイルでボディが汚れるのでそんな感じに汚してみた。下回りはやはり鉄粉で汚れるので赤茶色。プラスティックのモデルだが、この汚し(ウェザリング)で実車の様な重厚感ある質感を求めている。(もちろん模型にも色々な考えの人があってリアリティを追求して汚す人と、模型位は綺麗にと買ったままを好む人が居る。どちらも好みの問題だけど。)
つまり「USED加工」という名の汚しはリアリティ追求の為の技法であって決して変態さんではない・・・と思う(かなwww・・・多分)。
レビューを見ると素材には結構厳しい意見があるけど「ウェザリング」については高評価みたい。